オーストラリアのタックスリターンの基本!税金何が引かれる? 所得税って何パーセント?

オーストラリアで働いていると、気になってくるのが所得税などの税金。

オーストラリアに住んで間もないと
「オーストラリアの所得税って何パーセント?」
「Medicare Levyって?何?」
「タックスリターンの計算の内訳って?」
と気になることだらけですよね。

Payslips(給与明細)をみると、Taxとしていくらか引かれているかと思います。

そこで今回はタックスリターンの基本と具体的にどんな税金が何%引かれているのかを紹介します。

目次

タックスリターン(Tax Return)の基本

タックスリターンとは何なのか、いつ申告が必要なのかを簡単に説明します。

「Tax returnはもう知ってるよ」って方は「給与明細で引かれる税金について」の段落へ。

タックスリターンとは?

タックスリターンは、前年度の収入や控除可能な経費を申告し、適切な税金を計算する手続きです。

雇用主のもとで働いている場合は、Payslipsと呼ばれる給与明細が送られて自動的に税が徴収されるのですが、このタックスリターンでは払い過ぎた税金が返ってくるか、不足している税金を払うことになります。

オーストラリアに来たばかりの方は、myGovアカウントを作成し、ATO(オーストラリアの税務署)とリンクさせる必要があります。ちなみに私が作成した際は、本人確認でパスポートだけしか持っていなかったため、証拠が少ないとみなされ電話でリンキングコードを取得する必要がありました。

会計年度はいつからいつまでの期間?

オーストラリアでは、毎年7月1日から翌年6月30日までが会計年度です。

例えば、2023-2024年度の会計年度は、2023年7月1日から2024年6月30日までとなります。

タックスリターン提出期限は?

この期間の収入に対して、翌年の7月1日から10月31日までに税金申告を行う必要があります。
つまり、2023-2024年度の会計年度分の申告は2024年の7月1日から10月31日までとなります。(ただし税理士を雇っている場合は延長可能になる)

経費として控除できるもの

会社によっては、自費で制服代や仕事に必要な道具を自分で用意しなければならない場合があります。

その場合は、経費として計上できます。

主な例:
・仕事用の制服や防護服
・仕事に必要な道具や機器
・仕事に関連する学習費用
・在宅勤務に関連する費用(光熱費の一部など)
・仕事関連の交通費
(オーストラリアでは家から職場までの交通費は経費計上できません。ただ職場から別の職場への移動や出張は経費にできます)
詳しくはATOのDeductions you can claimのページをご覧ください。

控除を申請する際は、領収書などの証拠を保管しておく必要があります。

給与明細で引かれる税金について

オーストラリアでは、会社から給与を受け取る際に、すでにいくつかの税金が源泉徴収(PAYG: Pay As You Go)されています。

引かれる税金は、所得税(Income Tax)医療保険税(Medicare Levy)です。(※ワーキングホリデーは通常、Medicare Levyの対象外)

ちなみに日本と違ってオーストラリアには住民税はありません

この二つについて具体的に何パーセント引かれるのかを見ていきます。

所得税(Tax income)

所得税は持っているビザによって変わってきます。ここでは一般移住者とワーキングホリデーの所得税をみていきます。

一般移住者(永住者やパートナービザ保持者など)の場合

一般移住者(Permanent Resident)の場合は$18,200まではゼロでそれ以上は収入が多くなるほど税率も上がります。

2024年から2025年の個人所得税率

所得所得税率
0 – $18,200無税
$18,201 – $45,000$18,200以上は、$1につき16c(16%)
$45,001 – $135,000$4,288 プラス $45,000以上は、$1につき30c(30%)
$135,001 – $190,000$31,288 プラス $135,000以上は、$1につき37c(37%)
$190,001 and over$51,638 プラス$190,000以上は、$1につき45c(45%)
参考:Tax rates – Australian resident

例えば、年収が$30,000の場合、$18,200までは無税で、残りの$11,800に対して16%の税率がかかり、$1,888が引かれることになります。

会計年度2023−2024年までは$18,201 – $45,000の年収で所得税19%だったのが、2024-2025年度から16%に引き下げされています。年度によっても変わってくる可能性があるため、最新情報はATOのTAX ratesをご参考ください。

ワーキングホリデーの場合

ワーホリの場合は、一般移住者と比較して無税の部分(Deduction)がないのが大きな違いです。

2024年から2025年の個人所得税率

所得所得税率
0 – $45,000$1につき15c(15%)
$45,001 – $135,000$6,750 プラス$45,000以上は、$1につき30c(30%)
$135,001 – $190,000$33,750 プラス $135,000以上は、$1につき37c(37%)
$190,001 and over$54,100 プラス $190,000以上は、$1につき45c(45%)
参考:Tax rates – Working holiday makers

例えば、年収が$30,000の場合15%の税率で$4,500が引かれることになります。

私もワーホリビザでオーストラリアに住んでいたことがありますが、「オーストラリア、時給いいのになんか所得税めっちゃ引かれてるな」と思ったことがあります…

こちらも会計年度2023−2024年までは$45,001 – $120,000の年収で所得税32.5%だったのが、2024-2025年度から30%に引き下げされています。年度によっても変わってくる可能性があるため、最新情報はATOのTAX rates-working holiday makerをご参考ください。

医療保険税 (Medicare Levy)

Medicare Levyは、オーストラリアの公共医療制度であるMedicareをサポートするための税金で、通常は所得の2%が課されます。これに加え、高所得者で民間医療保険に加入していない場合、Medicare Levy Surcharge(MLS)が追加で課されることがあります。

ワーキングホリデーは通常、Medicareの対象外です。したがって、Medicare Levyは課されません。

一般移住者(永住者やパートナービザ保持者など)の場合

一般移住者(Permanent Resident)は、通常の居住者としてMedicare Levyの支払い義務があります。

基本、所得の2%が給与から引かれます。例えば、年収が$50,000の場合、$1,000($50,000 × 2%)がMedicare Levyとして課されます。

ただし、年収が$23,365未満(2023-2024年時点の個人免除限度額)の独身の場合、Medicare Levyは完全に免除されます。

年収が一定額を超える高所得者の場合


個人の年収が$93,000以上、または家族の年収が$186,000以上の場合(子供がいる場合一人あたり$1,500追加)で民間の健康保険に加入していない場合は、Medicare Levy Surcharge(MLS)というのが追加で課されます

MLSは所得の1%~1.5%です。詳しく知りたい方はATOのMLSについてのページをご覧ください。

手取りの計算方法

これまでの内容を踏まえて、年収から税金がいくら引かれて手元にどれくらい残るのかを計算してみます、

例えば、年収$5,5000(約550万)で仕事に必要なの靴や制服を自費で$300(約3万)買った場合。
税金はいくらで手元にはいくら残るでしょうか?

一般移住者(Permanent Resident)とワーホリそれぞれのケースで2024-2025年度の税率にて計算してみます。

一般移住者(Permanent Resident)の場合

  1. 課税所得の計算
    年収−経費
    $55,000 − $300 = $54,700
  2. 所得税の計算(2024-2025年度)
    ・$0 – $18,200: 無税

    ・$18,201 – $45,000の範囲に対して16%の税率
     ($45,000 – $18,200) × 0.16 = $4,288

    ・$45,001以上の部分に対して30%の税率
     ($54,700 – $45,000) × 0.30 = $2,910

    ・総所得税 = $4,288 + $2,910 = $7,198
  3. Medicare Levy(2%)の計算
    Medicare Levy = $54,700 × 0.02 = $1,094
  4. 最終的な手取り額の計算
    課税所得 – 所得税 – Medicare Levy=手取り額
    $54,700 – $7,198 – $1,094 = $46,408

計算の結果、支払う税金は$8,292で、手元に残る金額は$46,408となります。

ワーホリの場合

  1. 課税所得の計算
    年収−経費
    $55,000 − $300 = $54,700
  2. 所得税の計算(2024-2025年度)
    ・$0 – $45,000: 15%
    $45,000 × 0.15 = $6,750

    ・$45,001以上の部分に対して30%の税率
     ($54,700 – $45,000) × 0.30 = $2,910

    ・総所得税 = $4,288 + $2,910 = $9,660
  3. Medicare Levy(2%)の計算
    ワーキングホリデーはMedicare Levyは免除されます。
  4. 最終的な手取り額の計算
    課税所得 – 所得税 =手取り額
    $54,700 – $9,660 = $45,040

計算の結果、支払う税金は$9,660で、手元に残る金額は$45,040となります。

Tax returnの際に経費を計上したい方は、忘れずに申告しましょう

Tax Returnのシュミレーションができるサイト

自分のタックスリターンがどれくらい返ってくるか気になる人はATOのSimple tax calculatorよりシュミレーションできます。気になる人は試してみてください。

オーストラリアの税金控除制度 Tax Offsetsについて

オーストラリアにはTax offsetstといって、税金が控除される税制があります。

詳しくは以下の記事にまとめたのでご参照ください。

まとめ

以上、オーストラリアで仕事するなら知っておきたいタックスリターンの基礎と給料から何が引かれるのかを説明しました。以下まとめです。

Tax Returnの基本と引かれる税金
  • Tax Returnは日本でいう確定申告のこと
  • 会計年度は毎年7月1日から翌年6月30日まで
  • 申告は2024年の7月1日から10月31日まで(※税理士がいる場合は延長できる)
  • 所得税はワーホリと永住者で異なる
  • 一般移住者は$18,200が控除(Deduction)されるのに対しワーホリはその額以下でも15%の所得税が発生する
  • 一般移住者はMedicare Levyを基本2%払う必要あるが、ワーホリは払わなくていい


オーストラリア初心者の参考になれば幸いです。

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