この先、パートナーとオーストラリアで暮らすと決めたのはいいものの、
「オーストラリアで出産・育児するとどれくらいかかるの?」
という漠然とした疑問を抱くようになってきたこの頃の私。
私はまだ妊娠さえしたことがないのですが、これから出産するとしたらいくらを想定しておけばいいのか気になったので調べてみました。
オーストラリアでは公立病院と私立病院の2つの選択肢があり、それぞれに費用やサービスの違いがあります。今回は、公立と私立の出産費用の詳細について解説します。
公立病院で出産する場合の費用
公立病院での出産は、オーストラリアの国民健康保険制度であるメディケア(Medicare)によって、ほぼ全額がカバーされます。
オーストラリアは”公立病院での出産費用は無料”って聞いた時はびっくりしました!
具体的に何が無料でカバーされるのか見ていきます。
メディケアで無料でカバーされるもの
- 産前ケア(Antenatal Care)
– GP (かかりつけ医)での妊娠検査
– 病院での定期的な妊娠検診、スキャン、検査など)
※一部の外部で行うスキャンやGP訪問などは自己負担になる場合があります。 - 無痛分娩(Epidural)
公立病院では、無痛分娩の費用も無料です。麻酔も含めてメディケアがカバーします。私立病院では、麻酔科医の費用が追加でかかる場合がありますが、公立では通常無料です。(日本だと無痛分娩は有料でかつ健康保険が適用されず、約10万〜20万円ほどかかるため、これは大きな違いです。) - 帝王切開(C-section)
緊急帝王切開も予定帝王切開の場合も両方メディケアによって完全にカバーされます。手術にかかる費用、入院、アフターケアも無料です。(日本での帝王切開は保険適応され、予定帝王切開の場合は約6万円となります。) - 入院
公立病院での入院もメディケアがカバーします。通常、自然分娩では1〜2日、帝王切開の場合は3〜5日ほどの入院が無料です。(日本と比べて入院期間が短く、オーストラリアの公立病院で出産した知り合いの方は「結構スパルタ!」と言っていました笑) - 産後ケア
出産後のケアや、退院後の助産師訪問などもメディケアでカバーされることが多いです。
メディケアでカバーされないもの
- 個室(プライベートルーム)の費用
公立病院では、通常他のママさんと部屋を共有するシェアルームが標準です。プライベートルームを希望する場合、空きがあれば利用できることもありますが、追加料金がかかることがあるそうです。この費用はメディケアではカバーされません。 - 病院外で行う検査やスキャン
超音波検査(エコー)や特定の診断検査は、メディケアで部分的にしかカバーされない場合があります。特に、産婦人科医や専門クリニックでの検査は、自己負担が発生することがあります。 - 特別なサービスやオプション
例えば、出産後の特別ケアや、病院の特別な食事サービス、出産時に特定の医師や助産師を指名した場合など、これらのサービスは追加料金がかかる可能性があり、メディケアではカバーされません。 - 特定の薬
メディケアに登録されていない薬や、産後の一部の処方薬も自己負担となることがあります。
公立病院で出産する場合の平均的な費用
結論、公立病院での自然分娩や帝王切開は、メディケアによってほぼすべての費用がカバーされるため、出産自体にかかる費用は無料です。
ファイナンス比較会社Finderの2024年の調査によると公立機関を利用した場合、平均 A$726 とのことです。(出典: Cost of childbirth in Australia)
基本的な出産費用は無料で提供され、有料サービスを追加したとしても平均10万円以下抑えられのはありがたいですね。メディケアすごい…!
私立病院で出産する場合の費用
一方、私立病院での出産はプライベート保険に加入していても、30万以上はかかるケースが多いようです。
公立病院との大きな違いは希望する産婦人科医の選択が可能で基本個室を利用できる点です。
では私立病院の場合だと具体的に何にどれくらいかかるのか見ていきます。
私立病院で出産する場合の費用の内訳
※保険適応の場合の平均金額です。
- 産婦人科医の費用
私立病院では、担当する産婦人科医(Obstetrician)の選択できます。これにはA$2,000〜5,000(約20〜50万円)の費用がかかります。これは妊娠中の診察、分娩時の対応、産後ケアを含むパッケージ費用です。 - 入院費(プライベートルーム)
私立病院での入院は、プライベートルーム(個室)が標準で提供されます。入院費は1泊あたりA$700〜1,200(約7万〜12万円)程度が一般的で、分娩後の入院期間(通常3〜5日間)に応じて総額が決まります。帝王切開の場合、入院が長くなるため費用が増えることがあります。個室には専用のバスルームやシャワーが設置されており、家族やパートナーが一緒に滞在できる施設もあります。 - 無痛分娩(Epidural)の費用
無痛分娩を選択する場合、麻酔科医の費用としてA$500〜1,500(約5万〜15万円)が追加でかかります。麻酔の費用は、私立病院で出産する場合に自己負担となることが多いです。 - 帝王切開の費用
帝王切開の手術費用は通常の自然分娩に比べて高く、A$5,000〜8,000(約50〜80万円)かかることがあります。この費用には、手術費用、麻酔、入院費などが含まれます - その他の費用
一部の検査(特に妊娠中の高リスク妊婦に対する特別なスキャンや検査)には、追加で数百豪ドルの費用がかかる場合があります。出産時や産後に使用される薬剤も、私立病院では自己負担になることがあります。
私立病院で出産する場合の平均的な費用
出産費用の自己負担額はA$2,000〜3,000(約20〜30万円)が一般的とされています。※保険のプランによって異なります。(保険に入っていない場合はA$20,000(約200万円)を超えることも!)
ファイナンス比較会社Finderの2024年の調査によると、私立機関を利用した場合は平均 A$2,400 とのことです。(出典: Cost of childbirth in Australia)
ただし、妊娠の保険料は毎月A$200~300豪ドルほどの月額保険料がかかってくるのと、出産費用の保険適応は通常12ヶ月のWaiting period(待機期間)があるため、年間約A$2,400~3,600払ってやっと妊娠保険が利用できることになります。私立病院を希望の場合は早めの保険加入を要検討です。(妊娠保険料金はCansterのサイトのPrivate health insurance for pregnancyよりご覧いただけます。)
保険料と自己負担額を合わせるならA$4,800〜6,600かかることになります。
まとめ
以上、オーストラリアでの出産費用について紹介しました。
公立病院だと、ほとんど料金がかからない点は日本とは大きな違いです。一方、私立の病院場合、費用はかかってしまいますが個室にシャワーがあったり、パートナーと過ごせる点、心地よさそうでいいなぁと思いました。
以下まとめです。
これからオーストラリアで出産する可能性のある人の参考になれば幸いです。
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